アメリカの精神病院に入院した1: 2013年5月

アメリカの精神病院的なところに入院してました。
5日ほど。
これは何ヶ月かまえのはなしだけどね。

この病院はヘロイン中毒、アルコール中毒、精神病の患者さんたちが
最低72時間入院して、共同生活をおくって、日常に戻れるようにグループワークや、リハビリを
するところです。

まず最初に救急でメディカルクリアランスをもらいました。
基本的な診断をうけて、治療が必要かどうかをチェックします。

そのあと担架にのせられて救急車で5分ほどの場所へ移動。
逃げる可能性があるので、救急車にのるみたい。

わたしがいったときはちょうど晩御飯の時間帯で、
みんながごはんをたべてました。
その横を担架ですりぬけるわたし。
けっこうみんな挨拶してくれたw

入院手続きと、もってきた荷物チェックをうけたりして。
ひものついてるものや、危険なものをもたないように。
鏡も中にあるのは割れないもので、ペンも安全を考慮してつくられているものです。
自殺願望があるひとがわりとおおいので、安全面はとにかく確保するように設計されてました。
電話もパソコンも持ち込み禁止なので、
外とのつながりは、1日1時間くらいの面会と、3つある公衆電話。
これが意外ときつかった・・・。

入院してた仲間は、すごいフレンドリーで最初の何日かは、精神疾患をもってるとは
おもえなかった。
(明らかに、腕に傷がめちゃくちゃあったりとか、ヘロイン中毒、アルコール中毒のひとは
みためでわかりやすかったけどw)
アルコール中毒のひとがわたしのあとにきて、彼女は手が震えてベッドカバーが
つけれなかったからつけてあげた。
すごく感謝されて、そのひとからはつねにSweetieとよばれていた。
面会のとき差し入れで日本のお菓子などを友人がもってきてくれたので、
それを分けたりとか、みんなでごはんをたべるようにしたら
なぜかFlowerって呼ばれるようになってw
なんとなくみんな優しさのあんまりない世界でいままで生きてきたんだろうなぁっていうのが
わかった。
わけたり、助けたり、っていうのを経験してないから、
だれかが優しくしてくれるなんてことは信じることができないのかもしれない。

みんなとの会話はわりとシュールなところからはじまった。
まずはなんでここにいるの?っていう質問からはじまり
「銃で自殺しようとして失敗した」
「包丁で首を刺した」
「意識がなくなるまで薬と酒をのんだ」
「ヘロインがやめられない」
「リハビリから退院したその日にあびるほどお酒をのんだ」
などなど。
とにかく普通のトーンではなしてくれる。
こんなシュールな光景みたことない。
死んだらだめだよ、というその人も自殺未遂でここにきているのだ。
なんかおもしろい。

精神系の病気のひとも、ひととかかわるときは
明るい人もいるけれど、一緒に生活をしてると
みえてくるものがある。
ひとりで座っている彼らをふとみると、あぁこのひとは死にたいんだろう。とおもえる。
影がそこにだけおちているような、不自然な暗さがあった。

子供がいても、リハビリに通っても、
何度も戻ってきてしまうひともいる。
弱い人間なのかもしれない。
病院にいくら入院しても、根本が解決されないと結局意味がないのだ。
彼らが抱えてる問題がそのままになっているなら、おなじことを繰り返すだろうし
きっとそれは自分にも言える。

たぶん続く。